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石山 新太郎; 武藤 康; 文沢 元雄; 塚崎 和生*
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.164 - 176, 2002/06
高温発電システム(HTGR-GT)において、400MWt級高温ガス炉炉心から放出される黒鉛微粒子やアンダーミクロン級FP微粒子の捕集を目的に、HTGR-GTにおける基本仕様条件(1273Kにおける引張り強度1.5MPa,FP微粒子捕集効率90%,高温FPフィルター初期圧力損失0.4%)を目標に2種類の粒径(13m及び20m)のハステロイ-X製高温FPフィルターメディアを試作し、その基本特性を把握するとともに実機の性能予測を行った。その結果、次の結論が得られた。(1)フィルター試作材の1273Kの引張り強度は3MPa以上の高い値を示した。(2)90%以上のFP微粒子捕集効率を実現するためには、フィルター試作材の中の20mの粗粒フィルターで可能である。(3)0.4%以下の低圧力損失を実現するためには、フィルター試作材の中の20mの粗粒フィルターで可能である。(4)本試験で得られた知見を基に、HTGR-GT用高温FPフィルター実機の基本仕様は次の通り推定された。ハステロイX原料の構成粒子直径; 20m程度,フィルター充填率; 60%,ヘリウム流速; 6m/min,素材; ハステロイX,フィルター集塵面積; 882m,初期圧力損失0.4%以下,黒鉛粒子集塵容量; 529.3kg,フィルター厚み; 1.6mm,除去粒子径範囲; 0.017m。
石山 新太郎; 武藤 康
日本金属学会誌, 66(6), p.662 - 669, 2002/06
高温ガス炉ガスタービン発電システム(HTGR-GT)用ターボ機器の軽量化を目的に、目標周速度500m/sを達成するためのC/Cコンポジット材を用いたタービンディスクモデル(外径内径厚さ=450mm250mm40mmt)の試作を行うとともに、このディスクモデルの高速回転試験の結果、下記結論が得られた。(1)ディスクモデル周方向,半径方向及び厚み方向への炭素繊維含有量をそれぞれ40vol%,10vol%及び4vol%としたC/Cコンポジットディスクモデルに、SiC化I-CVI法による緻密化処理を施すことにより、ディスク表面から厚み中央部にかけてマトリックス材中に2.5~20mのSiC層を形成することができた。(2)ディスクモデルのSiC化I-CVI処理は、ディスク構造強化ならびに高速回転試験における周方向炭素繊維剥離防止に効果があることが明らかとなった。(3)ディスクモデルの高速回転試験の結果、当初目標周速度(500m/s)を達成した。この達成値は、過去の二~三次元強化C/Cコンポジット製小型ディスク試作体のスピンテストで達成された値としては最高値である。(4)高速回転試験中のディスクモデルの破壊プロセスは、ディスク内径側からの亀裂発生とその伝播が外径表面に至る過程で生じることを明らかにした。
石山 新太郎; 武藤 康
日本金属学会誌, 65(11), p.993 - 1001, 2001/11
600MWt級高温ガス炉ガスタービン直接サイクルのフィージビリティスタディにおいて、ターボ機器性能向上を目的に三次元強化C/Cコンポジットガスタービンディスクの1/5スケールモデルを設計/試作するとともに、試作体の高速回転時の性能評価を行い下記結論を得た。(1)外径内径厚さが400mm300mmt30mmの世界最大級の3次元強化C/Cコンポジット製ガスタービン用ディスク1/5スケールモデルの試作を行うことにより、実機スケール規模のディスクの製作可能性を確証した。(2)1/5モデルのスピンテストにおいて、13,800min以上の回転速度では、周方向炭素繊維層の剥離を生じたが、それ以下の1/5モデルが健全体の場合について従来の二~三次元強化C/Cコンポジット製小型ディスク試験体並みの周速度(~380m/s)を達成した。(3)さらに、同一製作法で製作した中実ディスクの場合ではHTGR-GT実機の回転性能条件を満足できる性能を達成できるものと判断された。